東北関東大震災のよりよき復興にむけて(その3)

2011年3月22日

「東北関東大震災のよりよき復興にむけて(その2)」からの続き

5.仮設居住

(1)応急仮設住宅の建設・入居

仮 設居住の中心的施策は、災害救助法による応急仮設住宅であり、その速やかな建設が急がれる。仮設住宅は、できるだけ従前地域に近く安全な場所に建設し、集 落ごとなど従前のコミュニティ(人間関係)を保持して、落ち着いた暮らしができるように配慮しなければならない。一方、今回の被害状況からみて、従前居住 地付近に仮設住宅を建設できない場合も予想される。そうした場合は、遠隔地に、集落・コミュニティ単位でまとまって入居できるような仮設団地を建設せざる を得ないだろう。

(2)応急仮設住宅での暮らしを人間的に

仮 設住宅団地には、医療機関の設置はもちろん、生活利便施設に事欠かないよう配慮しなければならない。阪神大震災では、仮設住宅団地で、買い物に出た高齢者 が道に迷って凍死したことがある。他方、台湾の地震では、仮設住宅団地にコンビニを配置した例がある。また、阪神・淡路大震災では仮設住宅で236人が孤独死したが、今回、こうしたことが決して発生しないように、個々の被災者に対するケアが欠かせない。高齢者や病弱者が多いことにかんがみれば、いわゆる「ケアつき仮設住宅」の導入を大々的に行う必要があろう。

仮 設住宅は「家賃」は取らないが、水光熱費を必要とする。今回、津波で全財産を失った被災者の場合そうした経費はどうするのか心配であり、特段の配慮が求め られる。神戸では、料金滞納を理由に水道を止められ、仮設居住者が死亡するという事件も発生したが、そういう事態を再び招いてはならない。

(3)自力仮設住宅の支援

被害状況によっては、従前地で生活再建ができる場合もあろう。そうした場合は、可能な限り自力で仮設住宅を建設する被災者に、資金的支援を行うべきである。神戸でも約5000戸 の自力仮設住宅が、資金援助なしで建設され、徐々に増改築や建て替えをしながら復興していった。インドネシアでは、はじめに小さな住宅を建てて仮住まい し、徐々に拡大していくという仕組み(コアハウス)も行われている。自力で自分の土地に住宅を再建するのは、被災者にとっては一番わかりやすい復興であ る。また、それは仮設住宅は公営住宅の必要戸数を減らすことにもつながり、地域に人が戻り、町の活性化につながる。

自力仮設住宅を増改築し恒久的な住宅につなげていくプログラムの開発や、柏崎市で行われた木造の仮設住宅を恒久住宅に改築した事例は、資源の有効利用の点からも重要で、一般化する道を開発すべきである。

東北関東大震災のよりよき復興にむけて(その4)」に続く

工学研究科建築学専攻 教授 塩崎 賢明

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