学術調査活動に対するガイドラインと支援における危機管理の徹底

2011年3月21日

この度の未曾有の広域大災害において,被災1週間を経ても1万を越える行方不明者があり,救命救急医療・救出活動が継続中である.救出・捜索活 動,支援物資輸送のために,被災地へのアクセス道路,港湾,空港などのインフラの応急復旧が急ピッチに進められている.国・地方自治体等の行政府をはじ め,民間企業,NPO・NGOなどによる被災者支援の活動が活発化している.被災者に対する医療,保健のために,医療関係者のネットワークを通して支援活 動が精力的に進められている.広域性の他に,大地震に端を発した津波,火災,原発事故に見られる多重性と複合性に今回の震災は特徴がある.アクセスの応急 復旧に伴って,内陸部の地盤災害などが露わとなるにつれて,広域性と複合性はその複雑さを増すに違いない.

上記のような緊急対応活動には,まだ相当の時間を要すると予想されるため,このような第一フェーズにおいては,余震の発生や地震の連鎖,原発事 故の推移,感染症の流行,人心の不安,広域的な人心パニックなどに対する危機管理が重要となる.今後,復興が開始される第二フェーズでは,被災者の生活復 興支援をはじめ,被災現地の精緻な調査に基づく被災の実際に対して,これまで準備されていた防御,危機管理システムなどの照査・検証が求められる.そし て,第三フェーズにおいて,将来の災害に備える防災,減災の見直しと戦略の立案,実施となろう.

大学をはじめとする研究機関や学協会による学術調査派遣は,基本的に第二フェーズ以降において資するものであり,第一フェーズの活動を乱すもの となってはならない.このような観点から,地震・震災関連の各学協会は,学術調査の派遣に対して,ガイドラインを発表している.著者のまわりでは,最も早 期に調査活動に対するガイドラインを発表したのは日本建築学会関東支部(http://www.rcs.arch.t.u-tokyo.ac.jp/AIJ-KANTO-SAIGAI/index.html,2011年3月16日),その直後に日本地球惑星科学連合(http://www.jpgu.org/whatsnew/110317dis_guide.html,2011年3月17日),続いて,土木学会(http://committees.jsce.or.jp/2011quake/,2011年3月21日)であった.今後,関連する他の学協会からも同様なガイドラインが発表されてゆくであろう.

これらのガイドラインに若干の姿勢の相異は見られるものの,第一フェーズにおける被災地外部からの調査活動を自重させるものであり,関連機関と 連携により被災現場からの報告情報の共有化を促している.大学からの調査派遣についても,第一フェーズに直接的に貢献するもの以外は,このようなガイドラ インに従うべきであり,第一フェーズにおける支援活動においては,この大震災の特徴をよく理解した上で,それぞれの活動に対しても,依然,危機管理を徹底 しなければならないと考える.このRCUSSブログの情報が,少しでもそれに資するように著者個人も努めてゆきたい.

都市安全研究センター・リスクアセスメント大研究分野・地盤環境リスク評価研究分野 教授 飯塚 敦

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