東北地方太平洋沖地震と今後予想される展開

2011年3月20日

1.東北地方太平洋沖地震について

2011年3月11日14時46分頃、宮城県沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生した。この地震は、太平洋プレートと北米プレートの境界で発生した海溝型巨大地震である。岩手県沖~房総沖にかけて、破壊継続時間は160秒程度で、長さ約500km、幅約200kmにわたってプレート境界がずれ動いた。国土地理院、筑波大学などによると、最大すべりの大きさは20m~30mに達していたという解析結果が得られている。

http://www.gsi.go.jp/cais/topic110313-index.html

http://www.geol.tsukuba.ac.jp/~yagi-y/EQ/Tohoku/index-o.html

東北地方全体で水平変位が、その東半分で上下変位が観測され、牡鹿半島のGPSの電子基準点では最大変位を記録し、東南東へ530cm移動し、120cm沈下した。このような沈下により、太平洋岸では、海水が低地に浸入し、土地が失われた。

http://www.gsi.go.jp/chibankansi/chikakukansi40005.html

また、このような大きなすべり量と広大な破壊領域により、多量の海水が持ち上げられたこと、また、リアス式海岸が多いこと等の理由により、津波による甚大な被害がもたらされたものと考えられる。

K-NET、KiK-net観測点の記録からは、東北地方の太平洋岸で加速度が大きかったことがわかり、栗原市築館では最大加速度2933galを記録した。

http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/ul/EVENT/201103_NIED_0313.pdf

2.今後予想される展開

【今後の発生確率の高い事象】

余震は頻発しており、今後も余震は断続的に発生すると予想される。マグニチュード7クラスの余震が震源域で発生する可能性も十分あり、太平洋岸では津波に注意する必要がある。内陸部でも誘発地震が起こる可能性がある。また、東方向へのゆっくりとした地殻変動は引き続き起こる。

【今後すぐに発生する確率は高くはないが、注意しておくべき事象】

今 回の震源域の北部延長上の青森沖や南部延長上の房総沖では、マグニチュード8クラスの海溝型巨大地震が起こる可能性がある。その場合は、太平洋沿岸部が、 数m~十数メートルの高さの津波に襲われる可能性が高い。東北地方における火山噴火の可能性も否めない。今回の地震の発生によって、東海、東南海、南海地 震が直接引き起こされるとは考え難い。しかしながら、日本列島全体の応力状態が地震発生前に比べて、大きく変化してしまっており、しばらくは安定な状態に 落ち着くべく、様々な地変が起こる可能性があり、あらゆる可能性は排除すべきではない。

都市安全研究センター・リスクアセスメント大研究分野・地殻破壊危険度評価研究分野 教授 吉岡 祥一

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